副腎疲労と「うつ 」は違う!誤解しやすいその症状とは

副腎疲労とうつ

仕事や家事、育児など、多くの方はストレスを抱えて生活しているためどうしても疲れが出てきてしまいます。
疲れは一度リフレッシュすればリセットされることも多いのですが、休日を利用してリフレッシュしてもなかなか疲れが取れないこともあるでしょう。

このような慢性的な疲労はうつ病につながっている可能性が考えられますが、その前に「副腎疲労」を疑うべきです。

副腎疲労とはどのような症状で、どんな原因からもたらされるものなのでしょうか?

今回は、副腎疲労の原因や特徴、そして副腎疲労とうつの違いについてご紹介していきます。
もし、慢性的な疲労に悩まされていて日常生活にも支障をきたしているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

副腎疲労とは?

まずは副腎疲労がどのようなものなのか、ご紹介していきましょう。

副腎疲労とは、腎臓の上部に位置する「副腎」が疲労によって機能低下してしまい、体に様々な症状をもたらしてしまうことを言います。

副腎

副腎は腎臓の左右両方に付随しており、ホルモンが50種類近く分泌されている臓器です。
副腎から分泌されているホルモンは、血糖のコントロールを行っていたり、免疫機能に関わっていたりと生命を維持するために必要なホルモンとなっています。

重要な臓器である副腎ですが、様々な原因によって負荷がかかってしまい、機能が低下してしまいます。
すると、生命を維持するために必要なホルモンの分泌まで抑制されてしまい、体全体に影響を及ぼしてしまうことになるのです。

基本的に疲労というのは身体的なものと精神的なものの2種類に分類されます。
通常であればリフレッシュすることで解消できますが、病気によって臓器の疲労がおきている場合は、いくらリフレッシュしたとしても根本的な解決にはなりません。

つまり、副腎疲労を解消したい場合は単純にリフレッシュするのではなく、副腎疲労の原因を知り、根本的に解決しなければ副腎疲労は解消されないことになります。

副腎疲労になってしまう原因

では、副腎疲労が起きてしまう原因とはどういったものが挙げられるのでしょうか?

睡眠不足

睡眠不足

多くの現代人は睡眠不足であると言われていますが、この睡眠不足によって副腎疲労に陥ってしまう可能性があります。
副腎では抗ストレスホルモンと呼ばれている「コルチゾール」の製造・分泌を行っています。

もし体が何らかのストレスを受けた場合、できるだけ体への影響が及ばないようにしようとコルチゾールが分泌されます。
ただ、コルチゾールは朝に最も分泌され、夕方以降は減少してしまうのです。

起きられない

そのため、夜遅くまで起きているとコルチゾールがあまり分泌されていない時にストレスがかかってしまい、体に大きな影響を与えてしまうことになります。
また、副腎でもできるだけストレスに対応しようとしますが本来は分泌せずに休息している時間にも関わらず働いているため、どんどん疲労困憊状態になってしまい副腎疲労が起きてしまいやすくなります。

コルチゾールの分泌量が減ってしまうと、低血糖を引き起こし、朝なかなか起きられなくなったり、やる気がなくなったりしてしまいます。
これまではそうでもなかったのに、最近やけに朝起きられなくなった場合は副腎疲労を疑ってみましょう。

 

栄養素の不足

偏った食生活や過度な食事制限をしていると、栄養素の不足に陥ってしまうことがあります。
副腎から分泌されているホルモンの多くはコレステロールを原料に製造されているのですが、コレステロールからホルモンへと変化する過程の中でビタミンB群やビタミンC、マグネシウムなどが使われていきます。

しかし、偏った食生活や過度な食事制限をしているとこれらの栄養素が不足してしまい、うまくホルモンが作られなくなってしまいます。

そうなってくるとコルチゾールも作られず、体がストレスに弱くなってしまうことに。
栄養素の不足は副腎疲労以外にも体に様々な悪影響を及ぼしてしまう可能性が高いので、できるだけ栄養素の不足に陥らないようバランスの良い食生活を心掛けましょう。

ストレス

ストレスには様々な種類があります。

例えば、仕事・人間関係によって生じる社会的ストレスや気温の変化によって生じやすい環境ストレス、激しい運動を行ったり病気やケガによって生じる生理的ストレス、緊張や不安などからくる心理的ストレスなどが挙げられます。

ストレス

これらのストレスは自覚がなくても体がきちんと反応しています。

体がストレスを受けると視床下部が反応し、下垂体から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させます。
下垂体から指示を受けた副腎はコルチゾールを製造し、分泌することによってストレスの緩和を図るのです。

ただ、慢性的にストレスがかかり続けると副腎は疲労してしまいます。
副腎が疲労のピークに達してしまうとストレスの影響を大きく受けるようになってしまい、副腎疲労以外にも様々な病気を発症する可能性が高くなります。

副腎疲労は、睡眠不足や栄養素の不足、そしてストレスが主な原因に挙げられます。
慢性的な疲労だと副腎疲労ということに気が付かず、ただの疲労だからと言ってあまり休まない方も多くいらっしゃいますが、これによって副腎疲労から他の病気にかかってしまう可能性も高くなります。

慢性的な疲労に悩まされていると気が付いた時点で、副腎疲労なのではないかと疑うようにしましょう。
また、以下のような症状が出ている場合も副腎疲労に陥っている可能性があります。

・朝起きられない
・寝ても疲れが取れない
・体が重く、だるさを感じる
・立ちくらみをするようになった
・やる気が起きない
・最近記憶力や集中力が低下している気がする
・頭がボーッとしている
・甘い物が食べたくなる
・風邪を引きやすくなった、もしくは治りが遅い
・夜になると比較的元気になる
・女性の場合、月経前症候群(PMS)が悪化してきた

副腎ではコルチゾール以外にも血圧をコントロールするアルドステロンや抗酸化作用を持つDHEA、分泌が低下すると生理不順につながる性ホルモンなどが分泌されているため、上記のような症状が表れる可能性が高いです。

もしこれらの症状が出ている場合は、副腎疲労であることを視野に入れておきましょう。

うつ病とは?

憂うつ感や気分の落ち込みを感じることを抑うつ気分と言い、抑うつ気分が強い状態を抑うつ状態と言います。
抑うつ状態が重くなると、うつ病になります。

うつ病は、憂うつ感や気分の落ち込みが主な症状の精神疾患です。
うつ病の憂うつ感や気分の落ち込みは、継続して出現するので、感情精神病や感情障害、気分障害と呼ばれることもあります。

うつ

うつ病になってしまうと、これまで楽しめていたことを楽しめなくなってしまったり、何をするにもやる気が起きなかったりします。
精神状態が悪くなるだけではなく、身体面でも不調をきたすことにもなるのです。

うつ病は、外因性、身体因性、内因性、心因性、性格環境因性に分けられます。
身体因性うつ病は、アルツハイマー型認知症などの脳の疾患や甲状腺機能低下症などの病気、副腎皮質ステロイドなどの薬剤の使用が原因だと言われています。

内因性うつ病は、一般的に知られている典型的なうつ病で抗うつ薬の内服が効果的だと言われていますが、治療をしなくてもある程度の期間が経過すれば良くなるケースもあります。
しかし、うつ病の苦しみを緩和するためには適切な治療を受けた方が良いでしょう。
心因性うつ病は、性格や環境がうつ状態の原因になっていると言われていて、抑うつ神経症と呼ばれることがあります。

副腎疲労とうつは何が違うのか?

副腎疲労とうつは似ている部分もあるので、素人での判断は難しいです。

しかし、副腎疲労とうつの違いを知っておくことで、受診をする際の参考にできるだけではなく自分自身の体と向き合えます。
ここからは副腎疲労とうつの違いについて説明していきましょう。

副腎疲労はの症状はうつ病に似ている

副腎疲労は、主にストレスが原因になっているので、毎日の生活の中でストレスを感じやすい人は副腎疲労のリスクが高いということになります。
そして、抑うつ状態になり、疲労感や意欲の低下、身体機能の低下などを感じます。

症状だけ見るとまるでうつ病のような印象を受けるでしょう。
しかし、副腎疲労の方の場合は、うつ病の症状よりも継続する期間が短いという特徴があります。
つまり、うつ病レベルの重い症状は出現しないということになります。

うつ病と似た症状が出現する副腎疲労には、抗うつ薬は効きません。
抗うつ薬は、神経伝達物質の分泌を増やし、脳の働きを活性化させる役割がありますが、副腎疲労の原因は脳にあるわけではないので、抗うつ薬を内服しても症状の改善は見込めません。

副腎疲労とうつを見分けるためのポイントは?

副腎疲労とうつ病は、疲れが溜まりやすい、朝起きられない、いつも寝不足、集中力を保てない、やる気が全く起きない、気分が落ち込みやすくなる、風邪が治りにくいというような共通の症状が出現します。

しかし、副腎疲労は副腎に原因があり、うつ病は脳に原因があるという違いがあります。
脳内の神経伝達物質は副腎から分泌されますが、副腎から送られてるホルモンはコルチゾールで、脳内で分泌されるホルモンはセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどになるので、分泌されているホルモン自体が異なるのです。

また、前述したように副腎疲労の場合は抗うつ薬が効かないという特徴があるので、その点においてもうつ病とは違います。

さらに、副腎疲労の場合は、夕方以降になると元気になるという特徴もあります。
なぜ副腎疲労の方が夕方以降に元気になるのかというと、コルチゾールというホルモンが夕方以降に分泌量が増えるからです。
それに対してうつ病の場合は、脳内物質の分泌が常に低下した状態になっているため、1日を通して元気がない状態が継続します。

副腎疲労をチェックするならクリニックへ

副腎疲労は、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどが原因だと言われていますが、自分自身の生活が乱れていることにはなかなか気付けません。

そのため、気が付いた時には症状が悪化しているというケースも少なくないのです。
副腎疲労はホルモンの分泌に影響を与えるだけではなく、精神的な部分にも影響を及ぼします。

副腎疲労が悪化してしまうと、抑うつ状態になってしまう可能性があるということになります。
しかし、副腎疲労の悪化によって出現する抑うつ状態やうつ病のような症状は、副腎が疲労したことによって出現している症状なので、うつ病とは別物です。

今の段階では、副腎疲労に関する理解はまだ深まっていません。
そのため、うつ病のような症状が出現したら、多くの人は心療内科や精神科、神経科を受診し、医師の診断を仰ぐでしょう。

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症状の小さな違いに気が付いた医師が食事指導など適切な対応してくれれば、副腎疲労が快方に向かい、症状改善が期待できます。
しかし、うつ病だと診断されて、効くことがない抗うつ薬を処方され続けてしまうと、症状が改善しないことを気に病んでしまい、本当にうつ病になってしまう可能性もないとは言い切れません。

もしも、うつ病に似た症状が出現し、心療内科や精神科、神経科を受診しても症状の改善が見込めない場合は、副腎疲労を疑った方が良いでしょう。
そのような場合は、副腎疲労の検査が行えるクリニックの受診を検討してみてください。

そうすることによって、なぜうつ病のような症状が出現しているのかを知ることができ、症状改善へと導けるからです。
うつ病ほどではないけど、うつ病に似た症状が出現している状態というのはとても辛いことです。

しかし、うつ病だと思い込んで効果が期待できない抗うつ薬を内服し続けるのは、心身ともに悪影響を及ぼしてしまいます。
そうならないためにも、副腎疲労の検査ができるクリニックへの受診をしていただきたいのです。

副腎疲労とうつ病は、どちらもストレスや乱れた生活習慣などが原因になります。
この2つは、症状が良く似ているので、間違われやすいものでもあります。

しかし、副腎疲労とうつ病は、改善させるための方法が全く異なるので、きちんとした診断をしなければ悪化してしまう可能性が大きいのです。
副腎疲労は、心療内科や精神科、神経科を受診してもうつ病だと診断されてしまう可能性が高いので、副腎疲労を疑うのであれば副腎疲労の検査ができるクリニックを受診するようにしましょう。